2025.12.22

その他

鬼から電話を利用してくださっている皆さまへ

昨今、「鬼から電話」や、このアプリを利用した子育てそのものに対して、名指しでの批判や否定的な意見が見られるようになっています。

サービスについてさまざまな意見があること、合わないと感じる方がいること自体は、私たちは当然のことだと受け止めています。子育てに正解はなく、価値観や方法は家庭ごとに違っていてよいからです。

しかし一方で、このサービスを利用している子育てそのものを否定する言葉が、ときに、日々懸命に子どもと向き合っている親御さんの心を必要以上に追い詰めてしまうのではないかと、私たちは強く懸念しています。

現代の子育ては、核家族化や地域とのつながりの希薄化の中で、「叱る」「諭す」「気持ちを切り替えさせる」役割を、ほとんど親だけが背負っています。
疲れている日も、余裕のない瞬間もあります。
そんな中で、鬼や妖怪という“親ではない存在”に声を借りることは、親が楽をするためでも、子どもを怖がらせるためでもありません。
「夜更かしすると鬼が来るよ」「悪いことをすると妖怪に見られているよ」こうした声かけは、単なる脅しではなく、理屈だけでは届きにくい幼い心に、善悪や節度を伝えるために用いられた昔ながらの知恵です。
子どもは、まだ言葉や論理だけで自分をコントロールすることができません。「なぜダメなのか」を説明しても、理解が追いつかない場面はどうしてもあります。
そんなとき、鬼や妖怪という“畏怖の象徴”は、親の感情を直接ぶつける代わりに、親子の間にワンクッションを置いてくれる存在だと考えています。

専門家や肩書のある方の発信は、社会に大きな影響を与えます。
だからこそ、特定の子育て方法を選んでいる親御さんを「間違っている」「望ましくない」と断じる言葉が、どれほど重く受け取られるかにも、どうか想像していただきたいのです。

私たちはこれからも、「こうあるべき」という唯一の答えを示すのではなく、数ある選択肢の中の一つとして、必要とするご家庭に寄り添うサービスであり続けたいと考えています。

子育てに、正解はありません。
そして、誰かの選んだやり方を否定することが、誰かの子育てを楽にすることは、決してないと考えています。

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